【有限会社ムエン工房】家具・建材・住まいの補修・修理、玄関や浴室に防滑・滑り止め施工

　　キッチン

【キッチンパネルのビス穴】

施工前

ピアノのように表面が滑らかで艶のある仕上げを、周りのものが映り込むことから鏡面仕上げと呼びます。

建材や家具調度は艶を無くすか艶を控えた仕上げの物が多いのですが、清潔感があり付着した汚れを認識しやすいという理由からなのでしょうか、浴室やキッチン周りには艶のある物が多く使われています。

浴槽、システムキッチン、壁面パネルなどです。

昨年の暮れくらいから浴槽は2件、大理石調フロア3件、壁面パネル4件と、このところ鏡面仕上げのキズ修理が続いています。

先月アップさせて戴いた施工例も浴槽のキズ修理でした。

今回も鏡面仕上げのキズ修理です。

今日はキッチンパネルのビス穴修理を紹介します。

施工中

※レンズの状態が悪く、付着した汚れが写り込んでいます。

レンジフードの位置を高くしたために、壁面に止めていたビス穴が現れたとのこと。

１箇所はビスを抜いたので、現れたのがビスの太さの穴なのですが、もう１箇所はビスの存在が分からずにフードを引っ張ったので、パネルが裂けるように割れたのだそうです。

コインの大きさのキズになっていました。

接着剤で穴の周辺を固めてからポリエステルパテを充填します。

幸いに単色だったので調色は一色で済みました。

これが、石目調だったり模様が入っていたりすると、複数の調色しなければなりません。

スプレーガンもスプレーする色の数だけ登場します。

スプレーガンで吹き付けるだけで目的の柄が出ない場合は、筆であったり布であったりスポンジであったりそのほか適する道具の登場となります。

施工後

着色が旨くいけば、あとはその上にクリヤーをのせます。

周囲をぼかしてスプレーをし、最終に研磨をして鏡面仕上げとします。

その工程は前回の浴槽のキズ修理と同じです。

肌を綺麗にクリヤーを塗装して磨き上げるのです。

【人工大理石の割れ】

施工前

人工大理石の流し台。

状態から見て割れてからずいぶんと年数が経つと思われます。

ガスコンロの周りに割れが生じています。

理由はガスコンロからの熱にあると思われます。

また、特にガスコンロの手前は下を支えるものがないので、ガスコンロの幅分、人大の橋が架かったような状態です。

当然、上からの荷には弱いし、収縮もしやすいので、そこら辺りに収縮のひずみの影響が集中するものと思われます。

新築時に奥様が気に入って選ばれたものなので、何とか使いたいというご希望で修理することになりました。

今回、リフォームでガスコンロは新しい物が入るのですが、今後も熱が影響することは間違いありません。

表面の見栄えだけでなく、割れが生じないように出来るだけのことをしないといけません。

手前の大きな割れで、広いところで5ミリ位の幅があります。
左奥の割れは幅が狭いですが、300ミリ位の長さにわたり割れています。

通常、厚みが12ミリのコンパネの上に約18～20ミリ位の人工大理石がのっかています。

その人工大理石はほとんどがアクリル系の樹脂（ペーパーで研ぐとアクリルの臭いがします。）でできていると思いますが、ガスコンロの周りで割れが出来ることがよくあるそうです。

施工中

まず、油などが周囲や割れの中に入り込んでいるでしょうから、溶剤で周囲を拭いて表面の汚れを取った後、割れをルーターで6ミリほどに広げます。

これで、割れの断面に油分などの汚れが残っていることはありません。

その後が補強です。

裏面を補強します。

エポキシ系接着剤で不織布を貼り付けます。

漆工でいう布着せ、合成樹脂ではFRPの状態にするのです。

割れていない角の付近も同様に補強しました。

裏面の補強が出来た後に、上面から接着補強と化粧です。

接着剤やパテを使います。

施工後

パテで化粧をしてから、塗装に入ります。

人工大理石の模様を模していきます。

今回のものはつぶつぶの模様ですので、調色して、3種類の色の塗料を用意しました。

それをつぶつぶ模様に交互にスプレーガンで吹いていきます。

全く同じとはいきませんが、そこそこ違和感なく吹けました。

最後にハードコートクリヤーを吹いて仕上げました。

出来るだけの手を打ったつもりですが、今後どうなるか私も分かりません。

1年後、5年後、10年後を見てみたいものです。